「川中島」あれこれ・・・「長野の酒メッセ2007」余談

第一回酒メッセの時、知り合いの蔵元から「お奨めの酒」リストを作って貰い、それを参考に利き酒をしてみました。その中で、「川中島」なる酒がリストの中に有り当日利いてみたんです。長野市に在る「千野酒造場」の「純米にごり酒」でした。
※現在は社名が変わり酒千蔵野(しゅせんくらの)さんと言うそうです。
IMG_3378.jpg酒の裏張りに曰く

この白い日本酒「川中島」は
戦国の世の川中島合戦に、
武田・上杉の両軍が戦の疲れを
癒した純米の酒です。・・・略

古い酒なので現在とラベルデザイン
が違います。


現在、県内では大河ドラマにあやかって到る所に「風林火山」が飛び交っています。そんな、風林火山商法(笑)の走りともいえるのがこれでしょう。ただ、この蔵は戦国時代・1540年代の創業で、第一次川中島の合戦が1553年、以後第五次まである訳ですから(有名な、キツツキの戦法や、一騎打ちの話は第四次の合戦)甲州・越後両軍の兵士が飲まなかったとは言い切れませんね。この辺が、時流に乗ったポッと出とは違うところであります。

で、利き酒の結果なんですが良く覚えていないんです。と、言うのは千野酒造場のブースに行くと、「杜氏」のネームプレートを着けた方と「杜氏見習い」と言うプレートを着けた方がいまして、その見習いの方が「私が仕込んだお酒です。感想を聞かせてください」と仰られて、軽い気持ちで酒を飲みに利き酒をしに来た(小心者の)私はその迫力にビビッてしまい、箸にも棒にもかからないような中身の無い感想を言って引き上げてきました。確か「香り酒」と「昔酒」「川中島」を頂いたと思うんですが、緊張のあまりよく覚えておりません。今なら、酒米の品種に話を振ってゴニョゴニョ誤魔化しそうですが(笑)。後で知ったのですが、その「杜氏見習い」さんは、蔵のお嬢さんで現在は杜氏を務められているとの事、時々雑誌などで見かけます。
 トラウマと言うヤツでしょうか?毎年「長野の酒メッセ」に行く度に、千野酒造場のブースの前を通るだけで緊張してしまいます。「また感想聞かれたら、なんて答えようか?」「利き酒の用語は良く知らないしヤバイッ!」小心者ですな。

昨日、平成15年3月の日付の「川中島」を飲んでみました。冷蔵庫に入れたまま忘れていたんですが(笑)、火入れされているとは言え、酒が全くひねていませんでした。あッと言う間に四合瓶は空いていました。
 以前、日本醸造協会が発行した「酒造講本」に「滓酒(おりざけ)」は火入れの有無に関わらず、瓶詰め後長時間経過すれば、劣化すると有ったので、それが頭にすり込まれていました。それは一般論なのか、それとも私の味覚が鈍感なのか?この「川中島」はその劣化を感じさせない美味さでした。
「川中島」に因んで、上杉謙信が居城・春日山城に書いたと言う「春日山城壁書」で〆てみます。小説や映画・ドラマで使われていますよね。

運は天にあり。鎧は胸にあり。手柄は足にあり。
何時も敵を掌にして合戦すべし。 疵つくことなし。
死なんと戦へば生き、生きんと戦へば必ず死するものなり。
家を出ずるより帰らじと思えばまた帰る。帰ると思えば、ぜひ帰らぬものなり。
不定とのみ思うに違わずといえば、武士たる道は不定と思うべからず。必ず一定に思うべし。

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酒飲み・・・「長野の酒メッセ2007」によせて

燗酒が美味しい時期になってきました。明治44年9月に信州を訪れた牧水はどんな酒を飲んだのでしょうか?

 牧水の歌集「路上」に
 
 「九月初めより十一月半ばまで信濃国浅間山の麓に遊べり」 
  その中に

  白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり
  
 と有りますが、浅間山麓ですからやはり小諸・佐久辺りの蔵でしょうかね。「御園竹」の蔵元武重酒造に歌碑が有るそうだから、「御園竹」なのかもしれませんね。
詳しくは此方→banner

以上は、前フリでありまして(笑)、本題に入ります。
10月18日、長野市で「長野の酒メッセ2007」なるイベントが有り、(信州の地酒をいただきに?)行ってきました。

今年のタイトルは「信州のみくらべ合戦」サブタイトルに「二人が信州の酒を愛でていれば、あの戦(いくさ)はなかったかもしれない」。で、謙信と信玄の川中島の一騎打ちらしきイラストがあり、ここにも大河ドラマの影響を感じます(笑)。この二人、信州人じゃあ無いんですけどね。
img_01.jpg


肝心の酒ですが、美味しいお酒ばかりでした。と言うか、おかしな酒は有りませんでした。今年、長野県酒造組合が力を入れた「ひやおろし」もハズレが少なく、火入れ(熱処理)が一回少ない生詰だとこんなにも風味が違うのかと思いましたね。また、最近のトレンドでしょうか?広い会場に用意された試飲用のお酒に純米酒が多く、酒蔵が純米酒(純米吟醸も含む)に製造をシフトしてきている事を感じました。

各ブースでお酒を利いている時に感じたんですが、最初の「長野の酒メッセ」の時と比べると、酒の業界でない人達が「この酒米は何ですか?」「○○錦(酒米の名前)のお酒をお願いします」とか、「酵母はアルプス?9号?」なんて会話を結構してましたから、舌でお酒を味わうだけじゃなくて、頭で(精米歩合や原料等数字を加味して)味わう人が結構多いのには驚きました。年々、日本酒の消費量は落ちているそうですが、その中にあって日本酒の愛飲家を自称する人達は、この手のコアな人達が結果として多く残ったのかな?などと思いましたね・・・私もそのうちの一人ですが。
自分が子供の頃、酒飲み(アル中では無く酒好き)といえば破壊的な(笑)飲み方をしていたものです。水代わりにコップ酒を煽る人、毎日仕事帰り酒屋の店先で1合2合飲んでほろ酔いで帰る人、お酒のカップ(180ml入り)をゴクリッ!一口で飲み干す人。今思い出しても、皆さん実に美味しそうに、いい顔をして飲んでいました。でも「原料は○○が良い」とか「純米酒じゃなきゃダメ」だとか、そんな会話は有りませんでした。だからと言って、皆さんが酒の味が分らなかったとは思えません。「酔えれば良い」そう思って飲んでいたとも思いません。以前、テレビに日本酒通を気取るオバサンが「アルコール添加の酒は邪道」とか「本物の酒」と言う言葉をやたら連発して、日本酒を語っているのを見て、とても嫌な気分になりました。私は、一緒にお酒を飲むなら知識が豊富で酒の業界に通じている「酒通」より、あのオジサン達と一緒に飲みたいと思います。あんな酒飲みが、家族の中に居るとキツイものがありますが、ホントにあの人達はお酒(日本酒)が好きだったと、今になって感じております。

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